引き継がれる繊細な美「江戸つまみかんざし」

引き継がれる繊細な美「江戸つまみかんざし」

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花嫁のかんざし
くす玉

 今は遠い昔、七五三の着物を着て髪を結い、最後に美しいかんざしを挿してもらった瞬間の胸のときめきを今でも鮮明に思い出すことができる。かんざし一本でぱーっと華やかになった姿にうっとりした。
 それから母が大切にしまっておいてくれたかんざしを時々眺めては美しさにため息をついていた。古代より髪に挿し、魔除けの役割も果たしてきたかんざしの持つ美のパワーを感じ、今回は特に江戸から引き継がれ、現在東京都の伝統工芸に指定されている「江戸つまみかんざし」の世界を紹介したく「かんざし杉野」こと「杉野商店」を訪れ、三代目代表取締役杉野守(まもる)氏、作家として活動されている杉野聡子(さとこ)氏からお話をうかがった。

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