島根県~神話と歴史と景観と~安来市

『名園と名画に心を洗われる時間』

 次に、神話の世界からは離れて、安来(やすぎ)市の足立美術館を訪ねた。創設者の足立全康氏が集めた近代・現代の日本画等のコレクション1,500点を四季折々の移ろいに合わせて展示替えをして公開している美術館だ。横山大観の作品を中心とする美術品も見事だが「庭園もまた一幅の絵画である」と、創設者自らが精魂を込めて作り上げた日本庭園は、アメリカの日本庭園専門誌で2003年から9年連続で日本一の庭園と認定されている。ミシュラン・グリーンガイドでも「三つ星」の評価を受けるその名園を紹介する。

背景の山々まで一体となった広大な枯山水庭

 明るく近代的な正面玄関を入り順路に沿って進むと、すぐに京都を思わせる庭園が見えて来る。廊下の右手に苔庭、左手には茶室を包むようにしっとりと静謐(せいひつ)な茶庭。この時点でもう別の世界に一歩足を踏み込んだ気がした。しばらく苔と赤松のやさしい緑に目を休める。

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