同会は、日本の通貨が使われる機械を製造するメーカーの日本で唯一の団体だ。一般的な飲料や食品の自販機だけでなく、銀行のATMや、駐車場などの精算機、外食産業の食券や電車の券売機、ホテルの自動のチェックアウト機などの機械メーカーが会員企業とのこと。「2024年にお札が新しくなります。お札が変わるとき、当団体が政府との窓口となって、会員企業と調整の上新しい硬貨、紙幣を発行されるときに機械側が対応できるようにするということが、当団体の大きな役割です」
自動販売機の歴史は古く、紀元前のエジプトまでさかのぼる。世界最古の自販機は、古代エジプトの科学者ヘロンの著書『気体装置』に登場する「聖水自販機」。コインを投入するとその重みで水が出てくる装置で、紀元前215年ごろ、寺院に置かれていたといわれている。「インターネットで調べると近代の自動販売機の歴史は、もともとはイギリスと出てくるんですけれども、日本の自動販売機の本格的な普及に関してはアメリカから、特にアメリカのコカ・コーラ社が自動販売機というツールを使って日本での販売をするために入ってきたのが始まりです」。日本の自動販売機の歴史の映像は同会のホームページで見ることができる。
自販機の歴史~History of Vending Machine~
「日本の自動販売機メーカーは機械を製造するだけではなく、当初商品補充等をするオペレート会社まで作りました。自動販売機を製造するだけでは自動販売ビジネスは絶対成功しない。共通した機械をうまく運用してオペレーションをしないと日本ではうまくいかないと考え、オペレーターという業種が生まれました。今は、飲料メーカーの系列オペレーターが直接商品を入れ、お金を回収していますが、日本ではそういったルートを自動販売機の創成期からしっかりと作りました」。こうして飲料の補充やメンテナンスがきちんと行われ、飲料の自動販売機は日本全国に広がっていった。
「屋外に設置してある自動販売機は、世界を見ても日本だけになってしまいました。何十年か前は外国でも屋外に設置してあったのですが、ほとんどが防犯上・景観上の問題から屋内の設置に変わってしまいました。ですから世界の中でも屋外に設置してある国というのは本当に珍しいです。安全安心な国だからです」