エピソード6 知床‐自然あふれる場所

 

ズザナとミーシャ 日本の魅力大発見
~チェコ人カップルの日本縦断自転車旅行~

【エピソード6】
<知床‐自然あふれる場所>

1年前に日本縦断自転車旅行を計画し始めたとき、知床国立公園の存在を知りました。インターネットで見つけた写真に感動して、絶対にここに行って自分の目で見ると決めていました。

IHCSAの三木茂樹さんによる素晴らしい記事は、事実に基づく視点から知床を描写しています。三木さんは保護地域の自然科学的に重要な点をまとめ、知床五湖ツアーについて熱心に書いています。私たちはそのように詳細なことは書けないので、その代わりに、ヨーロッパ人として、またサイクリストとしての知床体験に焦点を当てます。

知床半島で最初に立ち寄ったのは「オシンコシンの滝」です。轟音をたてて流れる滝で、とても感動的です。私たちが訪れた日のように晴れた日には特に。多くの観光客が私たちに話しかけてきました。その中にあの興部町(おこっぺちょう)の列車ホステルで出会った顔見知りの田中さんがいました! 自転車旅行で同じ人に2度会うのは本当に不思議な気分。実際は他人同士でも、何か特別なつながりを感じます。それをロードシップ(造語:路上の友情)とでも呼ぶのでしょうか。ロードシップはサイクリストの間でさらに強くなります。目的地を目指して同じように辛いことに耐えているのを、お互いに知っているので。

耐えるといえば、知床への道はかなり楽で快適なのですが、それもウトロまで。それ以降、1-1ギアで走る時間が始まります。1-1は最も低いギアを意味します。知床国立公園への上りは急なので!でも流した汗は報われます。初日に知床自然センターに到着し、休憩してから約20分かけて美しい「フレペの滝」の展望台までハイキングしました。クマとの遭遇を避けるために、私たちは歌ったり口笛を吹いて歩きました。知床はヒグマの生息密度が世界で最も高い地域の1つです!

知床半島西海岸の唯一のキャンプ場はウトロにあるので、下り坂を戻ってテントを設営しました。ウトロは知床を探索するのに便利な拠点で、温泉、レストラン、コンビニ、遊覧船の港などがあり、ビジターセンターでは「地域の宝(魅力)」に関するたくさんの展示を見ることができます。

ペダルをこぐのに疲れて、翌日は知床五湖まで車で行くことにしました。もちろん車はないので、ヒッチハイクをしなければなりませんでした! 日本でヒッチハイクをする人はほとんどいないのですが、いつも楽しいですよ。ミーシャにとっては、これが人生初めてのヒッチハイク! でもたったの5分で、日系アメリカ人カップルに拾ってもらえました。

知床五湖の駐車場には、ビジターセンター、土産物店、公衆トイレがあります。大きな総合案内図を見てルートを確認し、一湖に向かいました。天気はこの日も素晴らしかったので、周囲を360度見渡すことができました。自然はチェコの国立公園と似ているので、何よりクマを見つけることに夢中でした。チェコにはほとんどいないクマを見ることがここへ来た最大の目的のはずでした。でもクマは頭が良くて、人間に近づこうとはしません。

3日目、ウトロを出発し、標高738メートルの知床峠に着くまで15キロ上り坂を走りました。ミーシャはこれまで一度もこれほど高いところを走ったことがなかったので、とても達成感のある経験でした。羅臼山とオホーツク海の景色は素晴らしく、間違いなく知床国立公園での一番の見所でした。超プロ級のカメラを持った日本人が、たくさん知床峠に集まりバードウォッチングをしていました。皆さん親切で、高性能カメラのレンズを通してかわいい小鳥たちを見せてくれました。

知床半島の東海岸には、ワクワクするほど素敵な露天風呂がキャンパーを待っています。「熊の湯温泉」では、初めての野性味あふれる温泉体験をしました。地元の人たちは親切で、私たちにとても辛抱強くここ固有の慣習や規則を教えてくれて、一緒に入浴させてくれました。男性用と女性用に別々の浴場がありますが、早朝に再び訪れて46度の熱いお湯に2人で浸りました。

領土問題がある北方領土に面している羅臼の港町で、知床とその原野に別れを告げました。ロシア語でクリルと呼ばれる島々が、海岸から非常にはっきりと見えます。この辺はものすごく寒かったので、手持ちの中で最も暖かい服を着込み、氷のように冷たい風を避けるため、海岸から離れたところを全速力で走りました。

次の目的地:北海道の次の国立公園。どこだか分かりますか?

 

 

English Page →