青森県の十和田湖とそこから流れ出る唯一の河川である奥入瀬(おいらせ)川は特別名勝および天然記念物に指定されている。約20万年前に活動を始めた十和田火山は、その噴火によってできた陥没部に水が溜まり、やがて湖となった。それが十和田湖で、やがて湖が決壊し、長年に渡って大洪水が起こり、その時に生まれたのが奥入瀬の渓谷である。奥入瀬という大きな渓谷の中を奥入瀬川が流れていて、その全体を奥入瀬渓流と呼んでいる。奥入瀬川とともに国道102号線が奥入瀬渓流を縫うように走る。十和田湖の子ノ口(ねのくち)を起点として十和田温泉郷の一つ、焼山温泉までのおよそ15kmの間、美しい渓流と左右にいくつもの滝を眺めることができる。ほとんどの人々が十和田市や青森市からのアクセスが良い焼山方面から川の流れに向かって散策路を進んで行く。車両が走る国道とは別に散策路がきちんと整備されており、特にスポットが多い石ヶ戸(いしけど)休憩所からの9kmは、散策としてはちょうど良い距離で、途中ゆっくりと川の流れを眺めながらでも3~4時間で十和田湖畔の子ノ口まで行き着く。
今回は、石ヶ戸休憩所の駐車場に車を置き、手前の「三乱(さみだれ)の流れ」から子ノ口へ向かって撮影をスタートした。