透明度が高く美しい海岸に囲まれた宮古島・宮古諸島

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 沖縄本島から南西へ290 kmの東シナ海に浮かぶ宮古島と、その周辺に存在する7つの宮古諸島。そのうち5つの島は、海上架橋で繋がっており、容易に往来ができる。2015年に開通した伊良部(いらぶ)大橋は、つながる伊良部島と下地(しもじ)島の様相を大きく変えた。かつてはパイロットの訓練飛行場であった下地空港には、民間航空会社が定期便を就航させ、どちらの島にも数多くのホテルや宿泊施設がオープン、または建設中であり、計画も多いと聞く。宮古島自体も、観光客が年々増加し、夏場のピーク時には月間11万人を超え、5年前の3倍以上となっている。2020年にはカーニバル社が建設を進めている埠頭が完成し、14万トン級のクルーズ船が就航する。宮古島のホテルは不足し、まさにホテルの建設ラッシュで土地も高騰しているようだ。

 そんな宮古島の人気の理由の1つに、海の美しさがある。宮古島には川がない。川がないということは海へ不純物などが流れ出ることがないということで、この島を訪れてみると、なるほどどこの海岸も美しく、沖縄の他の島々と比べてもその美しさは段違いである。白い砂浜の海岸はもちろん、台風が来るたびに砂が大移動し常に景観を変える海岸、津波によって流された岩石に囲まれた岬など、まさに自然が生み出した景観を楽しむことができる。

 今回はそんな宮古島・宮古諸島の海岸などを紹介していこうと思う。

宮古島 動画:https://youtu.be/kH80wvF1fjI

砂山(すなやま)ビーチ
 宮古島の市街地・平良(ひらら)から車で7、8分ほど島の北西にある海岸である。シャワーやトイレが併設されている駐車場から細い道を抜け、砂に覆われた広い坂を降りたところが砂山ビーチである。左には岩のアーチがあり、独特の景観を観ることができる。ビーチはそれほど広くはないが、次々と波が打ち寄せる海岸の美しさはこの世のものとは思えないほどである。すいこまれるような空間で時の経つのも忘れてしまう。

砂山ビーチ 動画:https://youtu.be/X8Ln3q9TH_k

池間(いけま)大橋
 宮古島の北部には池間島があり、1,425 mの池間大橋が二つの島を繋いでいる。ある夏の早朝、日の出を撮ろうとドローンを飛ばしてみた。ドローンは交通機関との距離を30 m以上確保する必要があるので、少し離れた場所から離陸。ゆっくりと風景を切り取ってゆく。手前に池間大橋と、その向こうには美しい三角形の姿をした大神島、そして昇りゆく太陽が見える。宮古島の雄大な海の景色を観ることができた。

池間大橋 動画:https://youtu.be/9U5ShWmByR8

サトウキビ畑
 宮古島は沖縄で最も多くサトウキビを栽培している。砂糖や家畜の飼料としても重宝されている。畑の間を車などで通っていると、どこまでも続くサトウキビ畑をよく見かける。サトウキビは背が高く、風に揺れるその姿を見ているとどこかのんびりとした気分になる。そんな畑の一角からドローンを飛ばしてみた。畑の間には農家だろうか、所々に民家が見える。間を縫うようにして走る道路とのコントラストが美しい。沖縄らしい景色である。

サトウキビ畑 動画:https://youtu.be/gbfGKM3NeKo

東平安名崎(ひがしへんなざき)
 宮古島の南東端に位置する東平安名崎は、長さが2 km・幅150 m・標高20 mの海に突き出た半島である。その昔、津波に打ち流されたという大きな無数の岩が半島を囲んでいる。国の名勝に指定されている。平良中心部から車で40分ほどの距離があるが、人気の日の出スポットでもあり、まだ薄暗い早朝から多くの観光客が訪れる。この日もたくさんの観光客が訪れていた。特に若い女性が多い。南の島にロマンを感じているのだろうか。朝日が昇り、半島を照らすと海中の岩に影が現れ、美しいコントラストを生み出す。駐車場から歩いて半島の先端にある灯台を訪れることもできる。

東平安名崎 動画:https://youtu.be/913lKqfNHss

インギャーマリンガーデン
 宮古島の南部に広がる一大リゾートがシギラリゾートである。いくつかのホテルと温泉やゴルフ場などを併設している。その隣にあるのがこの海浜公園である。自然の入り江を利用して遊歩道などが設置され、宮古島の美しい海や魚などの生物を鑑賞することもできる。公園の隅の遊歩道を少し歩くと、外海を観ることができた。今までに観てきた中で最も美しい透明度の海であった。リーフに囲まれているせいだろうか、静かな潮の流れを海の底まで見通せるように感じた。

インギャーマリンガーデン 動画:https://youtu.be/sD_oBrxCLIU

長間浜(ながまはま)
 宮古島の南西部、来間(くりま)大橋で繋がっている来間島は人口160人あまりの小さな島である。ちょっとした集落を抜けるとすぐにサトウキビ畑が広がり、迷路のような農道が続く。集落から5分ほど車を走らせると、長間浜の入り口に到着する。道は舗装などされておらず、藪を切り開いたような場所に5台ほど車を停めることができる。この長間浜は訪れるたびに景観を変えることで有名。台風が来るたびに起こる砂の移動で海岸の景観が大きく変わり、潮の満ち引きによっても変わるという。筆者も5度ほど訪れているが、最初の2,3回は間違って別の海岸に来たと、勘違いしたほどである。この日は幸運にも、これまでで最も美しい長間浜に出会うことができた。

長間浜 動画:https://youtu.be/7RldJ5te9oo

与那覇前浜(よなはまえはま)
 地元の方々は「まえはま」と呼ぶ。日本のビーチトップ10で1位に選ばれたこともある、宮古島、沖縄を代表する美しいビーチである。駐車場はもちろん、シャワーやトイレ、食堂も併設しており、リゾートの雰囲気にあふれている。白い砂浜は7キロにも及び、近隣には高級リゾートホテルもある。来間大橋も眺めることができ、白い砂浜とコバルトブルーのコントラストは南国のイメージそのものである。

与那覇前浜 動画:https://youtu.be/FmNwas9tqoc

渡口の浜(とぐちのはま)
 2015年に開通した伊良部大橋、全長3,540 mは無料の橋としては日本最長である。伊良部島と地続きの下地島の丁度つなぎ目にあるのが、渡口の浜である。宮古島の与那覇前浜のメジャーなイメージとは反対に、静かで派手さのない海岸である。訪れる人もまだ少なく、広い海岸は閑散としている。しかし伊良部大橋開通以後、ホテルなどの建設ラッシュが始まっており、ここが賑わうのも時間の問題かもしれない。

渡口の浜 動画:https://youtu.be/TWCbg2a4goI

平良(ひらら)
 かつて平良市として宮古島の中心を担ってきたが、2005年に近隣の市町村と合弁し、宮古島市となった。宮古島に長く暮らす人々はその読みの通り「たいら」と呼ぶようである。現在は単なる地名であるが、宮古島の中心であることに変わりはない。平良の中心部には数多くのホテルや飲食店が集まり、観光客などで賑わう。

宮古島
 今、宮古島は揺れている。増える観光客、特に海外からの観光客は倍増している。足りないホテルにレンタカー。高騰する土地。島の賃貸住宅は、地元の住民でも借りることができないほど足りていないという。ホテルを建設するために、建設関連業者が住む場所を確保するからだ。5年前に初めてこの島を訪れた時から比べると、明らかに雰囲気が変わっている。のんびりとした南の島は今、激動の島へと生まれ変わろうとしているのだろうか。美しい宮古島の海岸だけは変わって欲しくないものだ。

撮影・執筆/松本 新:SHARATA 株式会社アドワイヅ http://www.sharata.info/
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