海と島が織りなす景観のほか、松島では戦国武将伊達政宗・伊達家ゆかりの数多くの史跡・文化財も見逃せない。
参道の杉木立や洞窟群を見やりながら向かう瑞巌寺は、芸術性の高い装飾文化が花開いた17世初頭の豪華絢爛な桃山時代の粋を尽くした荘厳な建物で、精巧な透かし彫りの欄間、襖や床の間の豪華な絵画などに目を奪われる。極彩色の厨子を安置する円通院は、手入れが行き届いた苔(こけ)むした庭園、石庭、バラ園の静寂の中にたたずむ。33年ごとに御開帳される五大明王像を安置する五大堂のある小島に架けられた橋の隙間から下に海が見えるのは、参詣に当たり気を引き締めるためと言われている。月見の名所である松島で伊達家が設けた月見の茶室観瀾亭(かんらんてい)で抹茶を味わっていると、400年前から変わらぬたたずまいと景色の中で歴史の奥行が染み入ってくる。