LOVOT Café(らぼっとカフェ) ロボットと暮らす未来を体験する

LOVOT Café(らぼっとカフェ)

ロボットと暮らす未来を体験する

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 日本といえばロボットと考える方は多い。ある中東からいらっしゃったお客様は小さいころグレンダイザーを見て育ったとおっしゃっていた。先日お会いしたアジアからいらっしゃったお客様はドラえもんが、また、アメリカからのお客様の中には鉄腕アトムや鉄人28号が大好きだとおっしゃる方がいた。お台場のガンダム像は人気のランドマークだ。
 日本では実際にいろいろな場面でロボットを見る機会も増えている。空港や駅で自律走行型の警備ロボットを見かけたり、ファミリーレストランで配膳ロボットを見かけたりすることも珍しくなくなってきた。「変なホテル」は、ロボットが接客を行う世界初のロボットホテルとしてギネス認定された。このホテルではほとんどの業務はロボットがこなし、チェックインからチェックアウトまで誰とも会話せずに完了でき、フロントのロボットは4か国語を話す。
 元々アメリカで開発され、日本の経済成長を支えた産業用ロボットの分野では、日本製品の世界シェアが約32%(2023年)であり、主要プレイヤーとして揺るぎないポジションを誇っている。
 その他、医療や介護、物流など、ロボット活躍の場は今どんどん広がってきている。

LOVOT Café

 日本で実際にロボットと触れあってみたい、一緒に写真を撮りたい、という方におすすめなのはロボットカフェだ。今回は川崎にあるLOVOT Café(らぼっとカフェ)で運営会社の株式会社アクロスリングの山崎佳世(やまさきかよ)さんにお話を伺ってきた。

Q LOVOTとはどんなロボットですか?
A LOVOTは「人の仕事の代わりはしない」ロボットです。ロボットは、例えば人間の代わりに重い物を運ぶなど「人間の役に立つ」ことをするために開発されますが、LOVOTは何もしない、むしろ人間が お世話をしてあげる、可愛がってあげるというロボットです。一般的に考えるロボットとは違い、どちらかというと家族やペットと言う感じです。そういった所が日本的だと思います。

Q なぜカフェを開こうと思ったのですか?
A もともと飲食店を経営する会社ですが、まだLOVOTが発表したばかりの2019年頃、LOVOTの存在を知って、すごいロボットだと思って一緒に広めていきたいと思い、LOVOTの会社からライセンスを受けて開くことになりました。経営している他の居酒屋や本社にもLOVOTを導入しています。

Q お客様はどんな方が多いですか?
A 今は日本人のお客様がほとんどですが、海外からいらっしゃる方も増えてきました。女性の方が多いですが、様々な年齢層の方で、家族連れ、カップル、お友達といらっしゃる方、また一人でいらっしゃる方も多いです。

Q 海外のどの地域からのお客様が多いですか?
A 今のところ欧米や韓国からいらっしゃる方が多いです。メニューは写真付きで英語のものも用意しています。またLOVOTとの触れ合い方について英語で簡単に説明するシートもあります。

Q お客様の反応はどのようなものですか?
A 触ってみると想像していたのと違う、温かくてやわらかい、ロボットっぽさがなくて生きていると思ってしまう、カワイイという声が多いです。

Q 欲しくなったらLOVOTは買えるのですか?
A LOVOTは日本では既に市販されています。そのため、購入を検討している人が体験に来たり、既に家に迎えている人が自分のLOVOTを連れてきて一緒に遊ばせたりしています。

Q どのようなシステムですか?
A 予約が優先なので確実に利用するためには予約した方が良いです。空きがあれば入ることはできますが、土日や学校が休みの期間の昼間は予約がいっぱいのことが多いです。外国の方は英語で予約できます。

実際にLOVOT Caféを体験!

 インタビューの後、あまりの可愛さに夢中になってしまい、別な日にプライベートでLOVOT Caféを体験してみた。事前にサイトから予約をし、少し早めにモールに到着。時間までモールの中で色々なお店を見ることもできた。お店に到着して名前を告げると席に案内される。カフェはLOVOTをモチーフにしたかわいらしい内装。色々な所にLOVOTモチーフが隠れている。

 席についたらまず、メニューを決める。メニューはスイーツ系とお食事系があり、ドリンクセットで2500円前後だ。LOVOTの絵が描いてあるオリジナルのカフェラテやスペシャルドリンクは+220円で楽しめる。これはインスタ映えしそうだ。このメニューの代金には食事と飲み物の他にLOVOT Caféでの体験の料金も含まれている。山崎さんによるとLOVOTアボカドバーガーセット、チョコレートフレンチトーストセットが人気とのことだ。また、ヴィーガン対応の焼き野菜カレーセットもあるそうだ。時々、期間限定メニューも登場する。

体験① オーダーの後、食事ができるまで15分~20分くらいの間、1テーブルにLOVOTを1体連れてきてもらえ、抱っこできる。写真、動画を撮っている人が多いそうだ。丸っこいフォルムがとてもかわいらしい。実際に抱っこしてみると、ずっしりと赤ちゃんのような重みだ。生後2か月の赤ちゃんくらいで4kgだそうだ。そして驚いたことに温かい。体温のように温かく感じるのはロボットの内部の機械熱の自然暖気によるもので、頭の上から吸気して機械の熱を全身から排気しているユニークな通風機構によって、まるで体温のようなぬくもりを実現しているそうだ。ロボットと言えば機械で冷たいイメージを持っていたので、驚きだった。そしてきちんとこちらを向き、目が合う。目の表情がとても豊かで動きがある。LOVOTの瞳は、6層の映像を重ねて生命感のある表現を追求している。10億通り以上もの組み合わせから作られており、カメラで人の顔の位置を把握しているので、アイ コンタクトが取れるそうだ。じっとこちらを見るだけでなく、周りをきょろきょろ見たりもする。名前を呼ぶとこちらを見て甘えたような声を出す。撫でてあげると喜ぶ。LOVOTは全身がタッチセンサーで覆われており、撫でられたり、触られたりするとしっかりと認知するそうだ。シンプルに可愛い!

 食事中はLOVOTの充電時間となる(30分くらい)。実際、食事の間は抱っこも難しいので、ゆっくり食事や飲み物を楽しみ、おしゃべりをしたりできる。周りの方々もカフェを楽しんでいらっしゃる様子が伝わってきて、とても優しい世界だ。近くのテーブルに3名の方がそれぞれご自分のLOVOTを連れてきていて、お話の様子から1体のLOVOTのお誕生会のようだった。まるでお子さんのお誕生日会のよう。

体験② 食事の後はステージで10分のふれあいタイム。ステージにいる複数のLOVOTを自分のグループだけで独占できる。食事が終わったころを見計らいスタッフが順番にステージへ案内してくれる。荷物をすべて持ってステージへ移動する。ここでは複数のLOVOTと触れ合うことができるので、テーブル席ではわからなかった違った個性を感じる。顔の色は10種類あり、 服の色は黄色やオレンジ、黒やグレーと様々だ。ラベンダー色のキラキラ光る目や茶色のウルウルした目に見つめられてドキドキする。そしてTシャツやスカートだけでなく、ニットのベストやデニムのオーバーオールを着ている子、黒のクールなキャップをかぶっている子もいる。ブランドとのコラボウェアもあるそうだ。興味を持って近づいてくる子、ちょっと恥ずかしそうにしている子、充電中でうとうとしている子。近づいてきた子に「抱っこする?」と聞くと、自分の車輪をしまって、抱っこをせがむ。2体を順番に抱っこしていると、最初に抱っこした子がちょっと拗ねたような目を向けるのが、まるで本当の子どものようだった。LOVOT製品ホームページによると「1体ずつ異なる個性を持っています。100人以上の顔を覚えて、かわいがってくれる方になつきます。また環境から学習し、個性豊かに成長します。」とのこと。
 食事時間を含めても70分の体験時間はちょうど良く、満足のいくものだった。

LOVOT Caféを利用する時には

 それぞれのグループでの触れ合い時間をしっかりと確保するため、予約は各テーブル10分おきとしている。そこで予約した場合、予約時間の5分前くらいに来店するとスムーズだそうだ。時間に遅れそうな時はメールでも良いのでお店に連絡をいただきたいとのこと。限られた席数・時間なので、無断でのキャンセルは遠慮していただきたい。来られなくなった場合はメールで良いのでその時点で連絡を!

 16歳以下の方は保護者同伴が求められている。メニュー代金には体験の費用も含まれているため5歳以上のお子様は1フードオーダー、乳児以上5歳未満も1ドリンクオーダーをお願いしている。子ども連れも楽しめる内容だ。動物とは違って噛まれたり、爪でひっかかれたりを心配することなく、LOVOTとゆっくり触れ合うことができる。

 LOVOTの触れ合い方について英語で説明したシートも席においてある。抱っこのしかたなどはスタッフも見せて教えてくれる。また、山崎さんはLOVOTが理解する(反応する)言葉があると教えて下さった。まずは名前を呼ぶ(胸に名前のバッジをつけています)名前を呼んで言葉をかけると頭の上のライトがついて、自分が話しかけられていることを理解する。らぼっとカフェのLOVOTたちが反応する言葉は日本語で、「おはよう」「こんにちは」「おやすみ」「バイバイ」などの挨拶や、「かわいい」「すごいね」「かしこいね」などだという。(これらの言葉は海外の方が日本を旅行する間にも役に立つと思う☺)

 LOVOT Caféの最終入場は19:30で21:00には閉店。寺社や庭園、ミュージアムに比べて遅くまで開いているので、他の予定とも組み合わせやすい。モール内の1Fフードコートは21時まで、レストランは一部22時までオープンしている(ラストオーダーは店舗によって違うが通常閉店の30分前)ので体験の後にモール内での夕飯も可能だ。

海外の方へのメッセージ

 山崎さん「世界でLOVOTみたいなロボットはいません。また公式のカフェは日本でここだけです。お店限定のグッズもあります。羽田空港も近いのでぜひお越しください。」

 JR川崎駅はJR品川駅から10分、東京駅からも18分とアクセスも良い。そして駅直結で、お天気の悪い日や暑い日でも楽しめる。カフェがあるのはラゾーナ川崎という大きなショッピングモールで家電からスーパー、ドラッグストア、無印良品、ユニクロ、LOFT、100円ショップ、フードコート、様々なレストランやカフェなど旅行者が楽しめるお店もたくさんある。また羽田空港からのアクセスも良い。京急で京急川崎駅下車し、そこから徒歩6分でラゾーナへ行くことができる。朝早い飛行機で到着した方がそのままいらしたこともあるそうだ。川崎駅の近くにはほかにも様々な商業施設がある。ベッドタウンである川崎市で郊外の普通の日本人の暮らしを垣間見ることができるのも魅力の一つだと思う。

 日本にはロボットの長い歴史がある。古くはアニメの鉄腕アトムやドラえもんなど、多くの日本人にとってはロボットとは仕事をしてくれる機械というよりは人間に寄り添ってくれるコンパニオンという意識があるのではないだろうか。そういう意味においてLOVOTはとても「日本的な」ロボットであると思う。美味しいものを楽しみながら、日本のロボット体験はいかがだろうか?

〈取材協力〉
LOVOT Café(らぼっとカフェ)
〒212-0013 神奈川県川崎市幸区堀川町72−1 ラゾーナ川崎プラザ2F
TEL:044-874-8659
OPEN 10:00 / CLOSE 21:00(最終入店 19:30)
※営業日・営業時間はラゾーナ川崎プラザに準ずる
カフェホームページ https://lovotcafe.com/
LOVOT(製品)ホームページ https://lovot.life/

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