つまみかんざしの魅力
布をつまんで花びらなどを作りそれを組み合わせて作るつまみかんざしは、まさに小さな布の美のマジック。そして、これは日本独特の技術である。
かんざしは他にもさまざまな種類があるが、つまみかんざしは七五三、成人式、結婚式など人生の節目を祝うハレの日のかんざしとして江戸時代から女性の髪を飾ってきた。全て手造りで一点もの。ふんわりとした優しい風合い、さまざまな色使いが和装独特の季節感が出せる由来である。和装は、デザイン自体はあまり変わらないが、季節により着物、帯、帯留めなどで色合わせを楽しみ、変化を出す。かんざしは仕上げの決め手。日本の美が凝縮された装飾品の一つとなった。舞妓さんが毎月かんざしを替えているのはよく知られたところである。日本人が大切にしてきた季節感をお座敷に添えるのは基本の趣向で、かんざしは特に象徴的な装飾である。