糸魚川で最高に旨い魚に出会う

2016-06-30

 

糸魚川で最高に旨い魚に出会う

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新鮮で旨い魚が食べたい。であれば魚市場がある街に行くのがいい。そして魚市場の競りが見られたらなお嬉しい。今回記者の願いを叶えてくれたのが、北陸新幹線の開通により東京から約2時間と身近になった新潟県の糸魚川市だ。
市場の他にも、半透明で神秘的な色合いと輝きを見せる「ヒスイ」や「フォッサマグナ」(日本列島が誕生した際の大地の裂け目)など、大自然が作り出した造形美や自然の恵みに触れることもできる。街中を散策していると、なんとも懐かしいレトロな商店街が現れた。

 

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白馬山麓県立自然公園(中央にある「高浪(たかなみ)の池」には巨大魚が棲むという伝説がある)


江戸の香りを今に残す旧加賀街道の雁木通り

 糸魚川駅を日本海口から海に向かって2ブロック進むと木で組み立てられた純和風のアーケードが現れる。これは雁木(がんぎ)と呼ばれ、雪深い地方に見られる長く張り出した庇(ひさし)で、積雪が多いときでも軒下を往来できるようにと造られた雪国ならではの商店街のスタイル。木のぬくもりが感じられるところが魅力だ。

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雁木の通り 京屋

 通りの中でも目を引くのが、格子造りの「京屋」。結納品や和ろうそくなどの冠婚葬祭用品を取り扱いながら、350年以上前から作り続けられているのが、家伝謹製の「御ゆべし」(「ゆべし」という竹皮に包まれ蒸された柚子風味の餅菓子)。
 江戸時代、糸魚川は江戸への交通の要所であり、加賀藩の前田候が参勤交代の折にその御ゆべしをお土産として徳川将軍に献上したところ、たいそう喜ばれことから、前田候より、ゆべしの前に御の文字を入ることを許されたという。「商いは変われどゆべし絶やすべからず」の家訓は今も脈々と受け継げられている。将軍にも愛された「御ゆべし」はぜひ味わってみたい逸品だ。

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350年の味を受け継ぐ京屋の「御ゆべし」

 その前田候が宿泊所としていたのが、350年以上の歴史を誇る「加賀の井酒造」。新潟県最古の酒蔵といわれ、屋号は前田候から頂いたもの。前田家寄贈の文庫蔵には貴重な文献が保存され、展示品コーナーには貴重な拝領品などが飾られている。事前に予約を入れておけば酒蔵見学も可能だ。

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加賀の井酒造


ヒスイで一攫千金

 雁木通り散策の後、次に向かったのは糸魚川海岸。日本随一のヒスイの産地だけあって、道端にはヒスイ原石や数億年前のさまざまな種類の岩のオブジェが飾られている。

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ヒスイ原石 蛇紋岩

 糸魚川海岸、通称「ヒスイ海岸」では、一攫千金を狙ったヒスイハンターが海岸に打ち上げられた石を拾いに来ているとのこと。聞けば、高品質のヒスイ原石は、高価格で買い取りをしてくれるという。そこで記者は、ヒスイハンターたち?と一緒にヒスイハンティングに挑戦してみた。これはと思う石を数個拾い、フォッサマグナミュージアムに持って行き鑑定士でもある学芸員に見てもらった。
 残念なことにヒスイではなく、ほとんどが地下の深いところにある岩石が熱や強い力を受けて出来た変成岩(へんせいがん)に属する「蛇紋岩(じゃもんがん)」であった。
 ヒスイを見分けるコツは、白色で角ばった重たい石で、表面が滑らかでキラキラ輝いているものだと説明を受けた。

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糸魚川海岸 通称「ヒスイ海岸」


大昔、富士山は海の底だった

 ヒスイや大地について興味が湧いたので、「フォッサマグナミュージアム」を見学することにした。ヒスイやフォッサマグナのほかに、化石や鉱物、また地震や火山の噴火などの自然災害についても紹介している。フォッサマグナシアターでは、壁面の巨大なスクリーンと足元のモニターに映し出される日本列島の誕生やフォッサマグナの成り立ちは、興味深く見応え満点だ。中でも記者が一番驚いたのは、大昔、日本列島の本州は真二つに割れていて、富士山、箱根、日本アルプスあたりは海の底であったということであった。

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フォッサマグナシアター


昼間に魚市場で威勢の良い競りを見る

 糸魚川に来たらぜひ訪れたいのが魚市場。特筆すべきは早朝ではなく昼過ぎに開く魚市場が「能生(のう)漁港市場」、「糸魚川漁港市場」と2カ所もあることだ。日中に見学できるのはスケジュールを組む上で大変ありがたい。

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午後1時30分に開く糸魚川漁港市場

 今回は、13:30に競りが行われる「糸魚川漁港市場」を訪れてみた。記者が到着したのは競りが始まる15分前。水揚げされたばかりの活きの良い魚介類が所狭しと並び、寿司屋や料亭、魚屋などの買い付け人が品定めをしていた。

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水揚げされたばかりの種類豊富な新鮮な魚 足を動かすカニたち

 競りが始まると、一般人には分からない意味不明な言葉が飛び交い、落札するやいなや魚たちは直ぐにトラックへと運びこまれる。
 「夕食にこのカニを出してあげるよ」と、声を掛けてくれたのが、漁師でありながら居酒屋「串処おけさ」を営んでいる店主の伊井浩太(いいこうた)さん。この言葉に釣られカニが大好物の記者はそこで夕御飯を食べることにした。

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熱気溢れる糸魚川漁港市場の競り


夕食に水揚げ直後の新鮮な魚介類を頂く

 「串処おけさ」の料理は、漁師もしているだけに鮮度と味は折り紙付きだ。メニューは刺身の盛り合わせをはじめ、肉や野菜の各種串揚げ料理などいろいろあるが、なかでも記者を唸らせたのが、ほのかな甘みが美味しい紅ズワイガニであった。また、英語のメニューには料理の写真が載っているので外国人への気配りもできている。糸魚川に来たらぜひ、鮮度抜群の美味しい海の幸をご賞味あれ。

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鮮度抜群の刺身の盛り合わせ 山盛りの紅ズワイガニ

 

取材協力「一般社団法人糸魚川青年会議所」
http://itoigawa-jc.com/2016/

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