私は日本酒党である。酒全般が好きだが、何が一番好きかと聞かれると、少なくとも過去20年ほどは日本酒と答えてきた。雑誌で日本酒の特集が出ると、たびたび買うのだがほとんど読まない。酒の旨(うま)さを専門用語で解説されると、どうも読みたくなくなるようだ。「旨いものは旨い」自分が美味(おい)しいと思えばそれでよいではないか。そんな私が数年前に出会ったのが、青森県の西田酒造が造る『田酒(でんしゅ)~特別純米~』である。爽やかな口当たりだが、しっかりした個性があり、旨い。うまく説明はできないが、とにかく虜になってしまった。
そこで今回、記者は大変勝手ながら、自分が日本一の酒と感じる『田酒』の美味しさの秘密を知りたくて、青森市内唯一の酒蔵西田酒造店を訪ねた。酒造りの工程も動画で紹介しながら、日本酒造りの神髄をご紹介したい。