大宮から世界へ-「BONSAI」の魅力を発信

2017-03-29

 

大宮から世界へ-「BONSAI」の魅力を発信

さいたま市大宮盆栽美術館

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盆栽庭園

≪この記事は2017年4月さいたま市に於いて『世界盆栽大会』が開催されるのを記念して、さいたま市大宮盆栽美術館学芸員の石田留美子様に寄稿していただいたものです≫
 
はじめに
 盆栽-というと、皆さんも一度は聞いたことがあるかもしれませんが、実際に盆栽を育てているという人は多くないかもしれません。でも、さいたま市では、地元の小学生が授業で盆栽を作り育てたり、地域の公民館でも盆栽講座が開催されていたりと、子どもから大人まで多くの人にとって「盆栽」がとても身近です。そこには、「大宮盆栽村」と呼ばれるこの地域特有の盆栽文化発展の歴史(1923年の関東大震災をきっかけに、東京から盆栽業を営む人々が大宮へ移住して新しく「大宮盆栽村」という地域を作り上げました)があるのですが、今回はその大宮盆栽村にある「さいたま市大宮盆栽美術館」についてご紹介します。

春夏秋冬、一年中盆栽を見られる美術館
 大宮盆栽美術館には、ほぼ毎日、海外からの来館者が訪れています。今、世界で盆栽は「BONSAI」として親しまれ、愛好家は世界中に存在しています。しかし、盆栽の“美術館”となると、当館が世界でも唯一の存在といえます。なぜなら、海外の場合は植物園などの一区画として盆栽展示を行う場合が多いからです。当館の最大の特徴は、命ある盆栽を“生きた芸術(Living Art)”として、展示・公開しているところにあります。特に、盆栽にとって管理が難しいと言われる春夏の季節にも、盆栽の室内展示を行っていることが海外の盆栽関係者から高い評価を受けています。先日もアメリカから来た盆栽家が非常に驚いていました。また、屋外の盆栽庭園では常設展示として約50鉢の盆栽を一年中いつでも見ることができます。なかには、「貴重盆栽」第一号の花梨(貴重盆栽とは、日本盆栽協会が認定する、芸術的に優れかつ樹形や樹種が学術的価値の高く、またその樹の由来や伝承が歴史的に貴重な盆栽)や、樹齢が数百年ともいわれる盆栽など、貴重な盆栽の数々を四季折々の姿で鑑賞することができます。

花梨 真柏 銘「寿雲」
五葉松 銘「青龍」 山もみじ 銘「武蔵ケ丘」
五葉松 銘「千代の松」

盆栽の歴史を紐解く美術品展示も
 盆栽展示では、週替わりの室内展示と盆栽展示が中心ですが、当館の最大の強みは、企画展示室などで行われる美術品展示です。盆栽だけの展示は国内外でも多くあるのですが、盆栽にまつわる美術品を体系的に収集・展示し、盆栽の歴史を紐解く機会は数少ないのではないでしょうか。当館では企画展「盆栽の物語」展として、中国で盆栽の原型ともいわれている絵が描かれた壁画から、日本の絵巻物に見られる盆栽の在りし日の姿や、お殿様の盆栽愛好についてなどわかりやすく紹介しています。盆栽庭園で生きている盆栽のダイナミックな魅力を堪能して頂くとともに、企画展示室で盆栽の歴史にふれることで、盆栽を通じて発展した日本文化の一面について、背景にある世界とのつながりについて知ることができます。

「春宵 梅ノ宴」三代 歌川豊国

国際的な友好の懸け橋となる「BONSAI」
 世界に広がる「BONSAI」文化の発展と共に、当館を訪れる外国人来館者数も年々増えています。盆栽愛好家はもちろんですが、最近では盆栽だけでなく、日本の庭園文化や伝統文化に興味のある個人の観光客が増えています。京都などの日本庭園を見た後で来館する人もいて、当館を訪れる理由は様々です。昨年は、世界一周旅行の最終日に訪れたという夫妻もいました。当館は美術館の規模としては大きい方ではないのですが、これだけ多くの盆栽を一年中、一度に見られる盆栽の施設は世界でも数少ないので、世界中から盆栽愛好家が集まってきています。先日もフランスとベルギーからの盆栽愛好家たちが、当館の盆栽を見ながら「この盆栽の枝ぶりは…」「この掛け軸との調和が…」などフランス語で熱く議論をしていました。皆さん「BONSAI」という共通言語があるので、国籍などは関係なく、自分の地域の盆栽自慢や育て方の工夫などについて楽しく会話をされています。そのため、大宮盆栽美術館では毎日いろんな言語が飛び交っており、盆栽の話題を通じて、世界中で友好の輪が広がっているんだと実感しています。盆栽発祥の地であるアジアはもちろん、アメリカ、イタリア、フランス、スペインなど、特に盆栽が盛んな地域では盆栽専門の学校もあるほどです。

 そのため、当館では受付に英語が話せるスタッフが常駐していますし、ボランティアガイドも英語でのガイドが可能です。音声ガイドでも、日本語のほかに、英語、中国語、韓国語と4ヶ国語に対応しています。ガイドブックやフェイスブックなども日英バイリンガルで対応しています。これからも、世界中の盆栽愛好者や来館者が当館を通じて、盆栽や日本文化と繋がることができる交流拠点になれればと願っています。

世界中から盆栽愛好家が集まる 世界盆栽大会inさいたま
 今年(2017年)4月27日から30日には、さいたまスーパーアリーナ等で「第8回世界盆栽大会inさいたま」が開催され、世界中から盆栽愛好家が集まります。
 世界盆栽大会は、4年に一度の開催ということもあり「盆栽のオリンピック」とも言われることもありますが、主な目的は、世界中から集まった盆栽愛好家が、盆栽を通して友好を深めることです。今回の大会でも、メイン会場のさいたまスーパーアリーナでは、300点を超える盆栽などを展示するほか、名品盆栽の展示や盆栽作家によるデモンストレーション、盆栽づくりや着物の着付けなどの日本文化体験など、様々なイベントが開催されます。世界中から盆栽愛好者が集まる国際的なイベントです。当館もサブ会場として、名品盆栽や美術品を展示する特別展や、地元の小学生が学校の授業で作り育てている盆栽約250点の展示などを行います。
 また毎年大宮盆栽村ではゴールデンウィークに合わせて「大盆栽まつり」があり、今年(2017年)は世界盆栽大会に続き、5月3日~5日に開催されます。町中で盆栽などの即売会、市民盆栽の展示があります。美術館周辺には6軒の盆栽園があり、各園主こだわりの逸品を鑑賞できます。2017年の大宮は4月末から5月にかけて盆栽イベントが目白押しとなっていますし、この時期の気候は散策にもぴったりですので、ぜひこの機会に多くの方に盆栽の世界を知って頂ければと思います。

世界盆栽大会ロゴ

 
 
 
 
 
世界盆栽大会WEBサイト
URL: http://world-bonsai-saitama.jp/
 
 
 
 
≪美術館情報≫
さいたま市大宮盆栽美術館
URL: http://www.bonsai-art-museum.jp/
埼玉県さいたま市北区土呂町2-24-3
048-780-2091
開館時間 9時~16時30分(3月~10月)/9時~16時(11月~2月)
休館日 木曜日(祝日の場合は開館)、年末年始、展示替え期間
料金 一般300円、大高生・65歳以上150円、小中学生100円
アクセス JR宇都宮線土呂駅東口から徒歩5分、東武アーバンパークライン(野田線)大宮公園駅から徒歩10分

 
□美術館外観

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
□MAP

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

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