会津若松は、戊辰戦争(1868-69)のとき、西軍の砲撃にも耐えた難攻不落の名城として知られる鶴ケ城を中心とする城下町。昔も今も、鶴ケ城は会津の人々の誇りであり、心の支えとなっている。
今年5月に瓦の葺き替えを完了し、城内の建物全てが江戸時代末期の姿に統一され、白く輝く漆喰の壁と赤い瓦がこれまでにないコントラストを形成し、現存する天守閣のなかでは、全国で唯一の赤瓦の天守閣が誕生した。
現在の天守閣内には、当時の甲冑や刀剣などが展示してあり、歴代藩主や戊申戦争などの会津の歴史や文化を分かりやすく紹介している。3階では着物を羽織り記念写真も撮れるので、外国人旅行者にも人気を呼んでいる。
城内には、日本を代表する茶人・千利休(せんのりきゅう)(1522-91)の子、千小庵(せんのしょうあん)(1546-1614)が蒲生氏郷の恩に報い建てたと伝わる「茶室 麟閣(りんかく)もあるので、来城の際にはこちらも訪れたい。
鶴ケ城の東、徒歩15分の所に御殿様の別荘として造られた国指定名勝の会津松平氏庭園「御薬園(おやくえん)」がある。江戸時代から続く薬草作りは、今でも行われており、朝鮮人参など約400種類の薬草が植えられている。 園内の「御茶屋御殿」では、庭園を望みながら抹茶を頂くという至福のひとときも用意されている。