エピソード4 国道238号線 クマと日本の友だち
ズザナとミーシャ 日本の魅力大発見
~チェコ人カップルの日本縦断自転車旅行~
【エピソード4】
<国道238号線 クマと日本の友だち>
6月15日(土)、晴れ。しかし、日曜日の天気予報はひどく、大雨、風、低温! サイクリングやキャンプにはまったく適していないので、普通の宿舎を探しました。ところがまるでそういう決まりごとがあるように、旅行シーズン中の北海道では何もかも満席・満室! なので、手ごろな値段のホテルの部屋を見つけることができませんでした。
でも私たちはとてもラッキーでした。興部町(おこっぺちょう)観光案内所から、もし寝袋を持っていれば、興部町の施設に無料で宿泊できるという返信メールをもらいました。メールの最後に「お気を付けください」と書いてありました。「無料の宿泊施設」で「気を付ける(注意する)」って、安全じゃないの? 私たちは一日中心配していました。でも実態が分かったとき安心しました。「道の駅おこっぺ」(バスターミナル)で出迎えてもらい、説明を受け、古い列車の車両に案内されました。それは町議会が旅行者のために車両を無料のホステルに作り変えたものでした。こんなの見たことがないと、すっかり興奮してしまいました。2晩雨風をしのぐことができて幸せでした。
列車の中で泊まるのが素晴らしいのは、そこが雨に濡れず、快適で無料だというだけでありませんでした。ついに地元の友達を作ることができたのです。最初に英語を少し話すアラキテツジさんから話しかけてきました。グーグル翻訳の力も借りて。アラキさんはその上、興部の伝統的な日本の家に連れて行ってくれました。将棋をしたり、クマの毛皮の敷物の上に寝転がったり、キツネの毛皮を首に巻くなど、いろいろなことが体験できたので、とっても面白かったです。そして、最も興奮したのは興部猟友会のオオイシノリヒロさんに会ったことでした。オオイシさんはプロの熊猟師で、家畜と人間を熊から守る方法について話してくれました。それにクマ肉の缶詰も2缶くれました! もちろん2人とも食べたことがない、なんと珍しい贈り物なんでしょう。
2人目の「電車友だち」のサトウケンサクさん(写真ミーシャの隣)は、毎年北海道にやってくる経験豊富なサイクリストです。この地域のエキスパートに会えてとてもラッキーでした。サトウさんは(この地域の)サイクリングコースや宿泊施設に関する情報をたくさん教えてくれましたし、日本を旅行するに当たっての一般的なアドバイスまでしてくれました。
次の目的地は、きれいで居心地の良い湧別町(ゆうべつちょう)でした。偶然ですが、ここでも別の列車ホステルを見つけて1晩泊まりました。今回は、早朝まで2人だけでしたが、中学生がバーベキューと野外活動をするためにやって来ました。彼らは本当に可愛くて、私たちの旅行と国についてたくさんの質問をしてきました。
翌日は国道238号線、最後の日でした。86キロも走ったので、記録的な日になりました。今のところこの新婚旅行での最高記録です! 基本的に湧別から網走までの全ルートは網走国定公園沿いを通っているので、海側には湖や鳥の素晴らしい景色があります。内陸側はほとんど農地です。
最後の約20キロは良い意味で驚きでした。ついに専用のサイクリングコースを走ることができ、トラックや車と一緒に走る必要はありませんでした。通常、自転車用の特別な道路は見られないので、これは非常にまれな経験でした。でも時々たくさんの枝がコースを覆っていたので、パンクを恐れて、道を外れて走らなければなりませんでした。
網走は稚内以来初の大きな町でしたので、2泊して洗濯をし、食料品を買いに行き、博物館 網走監獄に行くことにしました。これについては次のエピソードで!