エピソード 26 松島湾と仙台

 

ズザナとミーシャ 日本の魅力大発見
~チェコ人カップルの日本縦断自転車旅行~

【エピソード 26】
<松島湾と仙台>

すごいことがないかと待ちわびているときに限って、期待外れでがっかりさせられるのに、何も期待していないときには夢のようなことが起こるという場面が、人生では多々あります。松島湾は日本三景のひとつと言われており、そこをサイクリングするのをとても楽しみにしていました。

到着した日は、運が良かったとはいえませんでした。観光船の最終便の出発時間に5分遅れてしまい、その夜から2日後まで雨という天気予報になっていたので、少なくとも福浦島だけは散歩しようということになりました。

ここで、とってもおかしいことが起こりました。福浦島に入るのには、券売機に1人200円を投入しなければならないのですが、ミーシャは、財布の中に10,000円札しか見つけることができませんでした。10,000円札は使えず、スタッフも両替できませんでした。すると困り果てた私たちを見かねて、日本人のカップルが500円玉をくれたのです。島に入ってからミーシャは、ともかくお釣りの100円を2人に返しました。ところが、数分後に彼がよく見直してみると、財布に小銭があったんです! ミーシャが親切なカップルを追いかけて、謝りながら、お金を返すと、みんなで爆笑しました!

悪天候の予報を考えると、松島で体験できることはあまりないような気がして、仙台へ向かうことにしました。仙台ではホテルに2泊して、リラックスし、仕事をして、雨をやり過ごしました。次の目的地は伊達だったのですが、残念ながら途中でひどい雨に遭い、たどり着くことができませんでした。

翌日は太陽が出ていて、阿武隈川に沿って、素敵なサイクリングを楽しめました。この峡谷は、どのガイドブックにも載っていませんが、少なくともサイクリストの行程には入れるべきだと思います! 川はあちこちで渦を巻いていて、かなり興味深い光景でした。

阿武隈峡を好きになった理由が、もうひとつあります。道端で桃を販売しているお店で、おやつに2個購入しようと自転車を止めたところ、年配の男性が近づいてきて、箱ごと、そのおいしい果物をくれたのです。日本の人たちはどうしてこんなに私たちに親切なのでしょう! どうもありがとうございました。

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ズザナ&ミーシャ

 

 

 

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