エピソード 19 函館とその周辺

 

ズザナとミーシャ 日本の魅力大発見
~チェコ人カップルの日本縦断自転車旅行~

【エピソード 19】
<函館とその周辺>

北海道で過ごす時間ももうすぐ終わりを迎えるので、残された日々を満喫したいと思います。森町で目覚めてから、大沼国定公園まで自転車をこぎました。大沼に点在するおとぎ話のような小さな島々は、職人技が感じられる素敵な橋でつながり、睡蓮が湖面に広がっていて、朝食を食べるのにぴったりの場所でした。

その次は、鹿部町(しかべちょう)に寄りました。ここでは、温泉熱を使った屋外の調理場で、自炊することができます! 調理場には、木製の蒸し器、調理器具、それにイスが用意されています。併設されているビジター・センターでは、食材を調達でき、また地元の観光資源である10分ごとに95度の熱湯500リットルが、高さ15メートルまで吹き上がる間欠泉のチケットも販売されています。

そこから海岸に沿って、国道278号線を走りました。このあたりにある尾札部(おさつべ)やその他の村は、昆布の生産で大変有名に違いありません。私たちが自転車で通り過ぎた全ての家には昆布を乾燥するための施設がありました。大量の昆布が地面にも干してあり、家族総出で収穫や乾燥昆布の処理を行っていました。昆布生産の工程や作業をこんなに近くで見ることができて、とてもラッキーでした!

この日の最終目的地は恵山(えさん)岬でした。そこでの一夜は、ものすごく風が強かったのですが、キャンプ場で隣になった人たちはとても親切で、私たちが安全な場所を確保するのを手伝ってくれました。それでもなお、風は強烈で、テントを固定する杭の1つが地面から外れて、飛ばされてしまいました。そのため夜中に起きて、吹き上げられたテントの外層を引き下ろさなければなりませんでした。テントを完全に失ってしまうかと心配でした!

でも、その夜のトラブルはどうでも良くなりました。なぜなら、恵山岬の灯台近くにある水無(みずなし)海浜温泉の野天風呂が、本当に天国のような場所だったからです。そこは、私たちが日本で一番好きなものを代表するような場所でした。それは素晴らしい自然、癒しの温泉、それに親切な人々です。波打ち際にあるこの温泉は、潮の満ち引きで入れる時間が決まっていて、私たちが入れるチャンスは朝の7時から9時の間でした。幾つかの浴槽があり、それぞれが違うペースで温泉により満たされていきます。冷たい海水の中に横たわって、岩でごつごつした浴槽の底から湧き出てくる温水で徐々に身体が温まるのは、まるで地球の魔法を経験しているかのようでした。

幸せな気分に浸り、元気をもらった後、北海道旅行を締めくくる最後の行程に出発しました。函館には、ちょうど「港まつり」に間に合うタイミングで到着。賑やかなヒップホップが流れる中、梅酒とともに出来立てのお好み焼きを味わい、北海道に別れを告げるのにふさわしいパーティーになりました!

 

ズザナ&ミーシャ

 

English Page →