そのまま年月が経ち、1909年東京帝国大学助手、柴田常恵(しばたじょうえ)氏によって再発見され旧国宝に指定された。火災の際には、池に沈められたことも。お釈迦さまも水神に救われていた。螺髪(らほつ)はなく、裾を広げ台座に椅座されるお姿は白鳳の形式。表面に金が塗られていたようだが、通常その際に使う水銀が発見されず謎が残る。1,300年前畿内、おそらく奈良時代、お隣に夢違観音がいたかもしれない工房から、はるばるどんな旅路を巡られたのか。かすかな微笑みをたたえられているお釈迦様のお姿には今の困難な時代に生きる我々も救われるような気がした。現在細心の管理のもと環境を整えた釈迦堂で出会うことができる。