「短時間でいかに詰め込むかです」と言う手塚さんに飴細工の難しさを尋ねた。「作品の造形は5分間が勝負で、やり直しがききません。思い描くように作業が進められないと、全体に響いてしまうので、1つ1つの動作に必ず意味がなければいけません。仮に1作品に1日かけてもよいなら、多くの人がそれなりの作品を作ることができるかもしれませんが、飴細工は5分でやらなければならないというところが一番大変なところです」
「弟子たちには『作れることより、見れることの方がはるかに重要だ』と言っています。指先の技量は数をこなしていれば結構身に付くものですが、いくら手を動かす技量があっても、ちゃんと物の形を見ることができていないと、自分が作っている形すら見えないのです。アウトプットするより、インプットする方がはるかに大事です。そこのところがちゃんとできていないと、良いものは絶対に作れません」