Q:どのような研究をしていますか。
A:主に少女マンガの視覚表現について、日本の過去と現在、また韓国のマンガと日本のものとの違いを研究しています。例えばオノマトペと呼ばれる擬態語・擬音語の時代による違いでは、昔は怒った絵は怒った表情に「プーン」とか音でも表現しましたが、現代ではダサく感じます。今は登場人物の表情などで表すことが多く、小さい文字で「イラッ」と描く程度です。またマンガ記号と呼ばれるマークの類も変遷があり、例えば怒りマーク(右上の画像)は1960~70年代以降使われるようになりました。
Q:日本におけるマンガの現況を雑誌・単行本・電子書籍の販売数などの点から教えてください。
A:昔との大きな違いは雑誌の販売部数が減少し力が弱くなったことです。80年代に毎週500万部売れていた少年マンガ雑誌が今では半減しています。一方で単行本の部数はあまり変わっていません。また電子書籍、WEBマンガは思ったほど伸びておらず、日本人が紙媒体を好む傾向が表れています。ちなみに韓国では紙媒体が減って、WEBマンガが強くなっています。
読者層については、小さい子供が少なくなっています。理由としてはゲームなど子供の遊びの選択肢が増えていることが挙げられます。「少年ジャンプ」は以前より大人や女性の読者が増えているのが特徴です。