上の原高原温泉にある温泉宿「いろりあん」も雪にすっぽり埋もれてたたずんでいる。雪と触れ合うことを楽しみにやってくる人々はここを拠点にして、踏み荒らされていない新雪の原野を自分の足ではるばると巡ったり、雪の林の中を動物の足跡をたどりながら散策して、雪の感触を心行くまでたっぷり満喫できる。足が雪に埋もれて難儀しないよう、宿が貸し出すかんじきを履いて行くのがお薦め。裏の田んぼは宿専用の「ちびっこ広場」としてファミリー向けに整備されており、思いっきりソリで滑ったり、真っ白な雪だるまを作ったり、親子ともども時を忘れて雪遊びに夢中になってしまう。「わらぼし」蓑(みの)をかぶって雪ん子(雪の精)に変身するのもおもしろい。10人は入れるほど大きなかまくらも作られており、その中でふるまわれる焼いたおもちやおしるこを食べながら過ごす夕方のひとときは、とても印象深い思い出になる。玄関前に連なる雪の灯籠(とうろう)は、暗くなってから到着するお客様を幻想的な雰囲気でお迎えする。