エピソード 7 阿寒摩周国立公園
ズザナとミーシャ 日本の魅力大発見
~チェコ人カップルの日本縦断自転車旅行~
【エピソード7】
<阿寒摩周国立公園>
北海道の北東部には国立公園が集中しているので、その全てを見ようと国立公園巡りを開始。知床の後、標津(しべつ)にキャンプし、そこから内陸に向かいました。次の国立公園に向かってサイクリングをしているうちに、虹別(にじべつ)で驚くほど素晴らしいキャンプ場に出会いました。最初は一晩泊まるだけのつもりだったのに、結局3日も泊まりました! これまでの中で断然一番いいキャンプ場でした。普通、キャンプ場にはトイレと、洗濯機が時々ある程度ですが、ここの本館には座ってゆったりできる場所、充電用のコンセント、そしてシャワーが備えられていました。この機会を利用して、チェコの支援メディアのために記事を書き、ビデオを編集しました。施設を管理しているマスダカズミさんヤヨイさんは素敵なご夫婦で、超が付くほど親切でいろいろと助けていただきました。
マスダ夫妻に別れを告げ、阿寒摩周国立公園へ向かいました。興部(おこっぺ)で出会った友人のお勧めで、屈斜路湖の和琴(わこと)半島湖畔キャンプ場にテントを張りました。キャンプ場自体は少し旧式のものでしたが、どんな不満も解消されるほど素晴らしい環境でした。屈斜路湖のほとりで眠り、直ぐ隣にはビックリするほど野趣あふれる野天風呂がありました。夜にひと風呂浴びていると、キツネや雄鹿がまわりに集まって来たのです!
屈斜路湖は日本最大のカルデラ湖です。湖水はトルコ石のように印象的な青緑色をしていて、魚もたくさんいます。天気が良くなかったのでカヌーは止めて、自転車で回って湖畔の景色を楽しみました。また和琴半島周辺の短い遊歩道でも、広々とした素晴らしい眺めを楽しめます。和琴フィールドハウスでは、阿寒国立公園についてのよくまとめられたビデオを見ることもできました。
でも(屈斜路湖周辺で)もっとも息をのむような経験は、アトサヌプリ、別名硫黄山を見に行ったことでした。2018年4月に噴火した活火山で、多くの硫黄ガス噴気孔があり、歩いて噴気孔近くまで行くことができます。硫黄の鮮烈な黄色は見事ですが、恐怖も感じました。
この地獄のような斜面から吹き出すガスを過剰摂取した気分になったので、自転車を駐車場に残し、硫黄山と川湯温泉を結ぶ道標のある遊歩道を少しハイキングしました。すると、ほんの24時間前に子熊が目撃されたという掲示がありました! 私たちがこの神秘的な日本の生き物に、これまでで最も接近した瞬間でした。
川湯温泉に着くと、気持ちのいい足湯に浸かりました。足湯は町のほぼ真ん中にあって、とても気軽に癒される場所でした。旅の間にいろいろな温泉に浸ることができて本当にうれしい。誰でもお風呂は好きですが、サイクリストやスポーツする人にとっては、さらにうれしいものです。骨、筋肉、そして肌が無上の喜びを感じます!
最後に、阿寒摩周国立公園はその価値に値するだけの注目を集めていないと言わざるを得ません。悪天候にもかかわらず、私たちは素敵な時間を過ごし、本当はもっと長く滞在していろいろなものを見たいと思いました! こんなに魅力的な場所なのに、多くのホテルが閉鎖され、観光客も少なく閑散としているのを見て凄く残念です!