夕食に富山湾で獲れた新鮮な鮨をつまんでみた。どれもほのかな甘みがあり大変美味しかった。甘みがあるのは新鮮という証しだ。
どうして富山の鮨が旨いのか、カウンター越しに店主に聞いてみた。「北アルプスと立山連峰の雪解け水や雨水が豊富な養分を含んだ土壌に浸透し、富山湾に流れ込むんだ。また、富山湾は日本海側では一番深い湾で、海底からは湧水が出ている。ミネラルが豊富なんだね。この質の良い海水が富山湾の美味しい魚を作っているんだよ。暖かい対馬海流と冷たい深層水等が混ざり合う複雑な海流なので、暖流系と冷水系の魚が500種類も棲んでいる。富山湾が天然の生簀(いけす)と言われるゆえんはここにあるんだ」
食通の間で最近話題となっているご当地ブランド「富山湾鮨」について聞いてみた。「県内約60軒の鮨店で提供されていて、1セット10貫で汁物が付いている。ネタはその日富山湾で獲れた新鮮な海の幸だから季節によりいろいろ楽しめるよ。値段は店により2,000円から3,500円。人気があるので、予約した方がいいね。うちには外国人のリピーターも来るよ」と先日、外国人とのやり取りをした英語のメモ書きを見せながら語ってくれた。その顔には、富山の食に対する愛着と自信がみなぎっていた。
一度食べたらまた食べたくなる富山の味覚、日本人のみならず外国の美食家たちの舌もうならせているようだ。