≪浪越指圧の歴史≫
1.指圧はおじい様である浪越徳治郎さんが創始したということですが、浪越指圧の創成期と徳治郎さんについて教えていただけますか?
私の祖父徳治郎は気候が温暖な四国の香川県で生まれましたが、6才の時に家族で北海道の留寿都(るすつ)村へ移住しました。当時香川県から北海道への旅は現在と違い大変苦労が多く、また北海道は四国と比べて寒いためか、母親が体調不良になりました。ひざの痛みから始まり、痛みは足首、手首など全身に広がり、それを和らげるため5人の子供たちが交替で母親の身体を撫でたり、さすったりしました。今でいえば多発性関節リュウマチだったのかも知れませんが、その頃は町にちゃんとした病院もなく、子供たちの思いやりだけが薬でした。5人の子供たちの中でも徳治郎が上手で、特に背中から腰にかけて親指で押すと痛みが緩和されたそうです。医学的に考えると、徳治郎が天性の勘で行った手技が副腎を刺激して適度なコルチゾールが分泌されたのかも知れません。