Q 他の茶道教室にはないユニークな点はどこでしょうか? A テーブルと椅子という環境が違うこと、師匠ではなく講師(インストラクター)が一緒に楽しみを伝えるという点、そしてお茶を学びとして体系化しているという点です。稽古の内容は、店舗での実践の前に動画を視聴して知識を学べるという二部構成になっていて、普通のお教室だと写真を取ったり、メモを取ったりもできませんが、知識の定着のために動画を見ていただいたり、稽古内では自由にメモを取ったり、設えなども写真を撮っていただいたりしています。毎月のお菓子の写真を撮るのを楽しみにしていらっしゃる方もいます。
Q そもそも、初心者の方もはじめやすいシステムにしたいと思ったのはなぜですか? A もっと今の人たちにお茶の面白さに触れてほしいというところがあって、流派という枠からも離れて型を身につけて、なぜこういう歴史なんだろうかともっと楽しんで、気軽に学んでいけるものを作りたいなというところから入りました。
Q 外国の方で習いにいらっしゃっている方はいらっしゃいますか? A 英語での対応ができないので、完全な外国語でのコースというのはないのですが、留学や日本でお仕事をされている方はいらっしゃっています。
Q 今後、英語でのご対応も考えていらっしゃいますか? A コース自体の対応はなかなか難しいのですが、「喫茶」のスペースでお茶を一服召し上がるのは英語対応できるスタッフもおり、インバウンドのお客様が戻ってくる頃にはぜひ対応していきたいと思っております。
Q 特にこちらのお稽古で大切になさっていることは? A 「茶論」というブランド名の由来にもなっていますが、茶論のコンセプトが「以茶論美」(茶を以て美を論ず)なので、お茶を通じて自分の価値観、美意識をそれぞれが磨いていくということを大切にしています。おもてなしをしたいという心と、実現する型と、それを彩る知識、それらを身に付けて自分の見る物差し、考える物差し、目線が変わって、それによって日常が豊かに変化していくというのを目指しています。
Q 今後、新しいアイディアを考えていらっしゃいますか? A コロナ禍で、ご自宅でも茶道の愉しみを配信したいと考え、インスタライブやZoomでのオンライン講座などを通して、様々なコンテンツを配信しています。近くに茶論がないお客様や、出かけられないタイミングの時に利用していただいたり、茶道具や菓子をつくる職人さんの工房とつないだりしているので、今後力を入れていきたいと思います。
Q 茶道というのは、日本文化の中でどのようなものだと思いますか? A あらゆる日本文化、生活の軸になりうるものだと思います。衣食住それぞれ関わっていて、生活をより豊かにしてくれるものだと思います。日本人の生き方とか暮らし方を指し示してくれるものかな、と思います。
Q 今回のコロナ禍で、特に感じたことはありますか? A 改めて相手があっての茶の湯ということを実感しました。コロナ禍では、大きな茶会や茶事などのイベントが開催しにくくなりましたが、ご家族とか、ごく親しい仲間内で共有できるものとして、誰と席を共にするかという茶事・茶会の本質、「一味同心」(皆で同じ味をたしなみ、心を同じくする)という本質に立ち返ることができたのかな、という気はしています。あとは、おうちでの自分の時間を充実させるというところもお茶の楽しいところです。おうちでご自分やご家族のために丁寧に点てた一服、それを味わう時間で心が安らぎます。また、成分的にも、覚醒作用のカフェインと、リラックス作用のセロニンが抹茶には多く含まれていて、リラックスできます。海外でもスーパーフードとも言われています。