およそ620年前に「能」という演劇形式を確立した世阿弥は、1400年に「能」の理論書として『風姿花伝』を著わしました。そのなかで、能の修行法・心得・演技論・演出論を記していますが、「秘すれば花なり」(If you keep it secret, it will be a flower.)に代表されるように抽象的な表現が多く、今では哲学的な芸術論として、また日本文化特有の精神論として、様々な解説書が出版されています。 また、彼が創作し今も演じ続けられている“現行曲”は、およそ250曲あります。 それらはシテ(主役)の役によって「神」「男」「女」「狂」「鬼」の5つのジャンルに分けられます。昔は1回の催しで、すべてが順に1演目ずつ演じられ、途中、緊張をほぐすためにコミカルな「狂言」が演じられました。
碑には、夫のマルセル・ジュグラリス氏が亡き妻に贈った6行の詩が刻まれています。 Le vent des vagues 三保の浦 De la plage de Miho 波渡る風 語るなり Parle de celle dont à Paris, パリにて「羽衣」に Hagoromo a emporte la vie. いのちささげし わが妻のこと En l’écoutant mes jours 風きけば わが日々の すぎさりゆくも Pourront s’énfuir. 心安けし H. Marcel Giuglaris (有永弘人(ありながひろと)訳) マルセルは、国際ジャーナリストとして、のちに日本でのフランス映画の紹介や日本映画のカンヌ国際映画祭への出品など日仏文化交流で大きな功績を残しています。
義経は子どもの頃は牛若丸と呼ばれており、天狗から兵法を習ったなど話題が多く、複数の作品に登場します。次のサイトは京都の平安神宮で催された野外能ですが、2本目のビデオ「Tragic Hero: The Life of Minamoto no Yoshitsune」をご覧ください。牛若丸たちが花見で賑わう鞍馬山へ出掛け、天狗に出会う場から始まる『鞍馬天狗』では大勢の子どもたちが出演しています。さらに『橋弁慶』『祇王』『烏帽子折』『船弁慶』『正尊』と義経をシテにした演目のさわりを見ることができます。 https://www.discoverkyoto.com/event-calendar/june/takigi-noh-heian-shrine/ (英語サイトのみ)